事業概要

事業概要

AICEは設立以来、「地球に優しい内燃機関 究極の熱効率、ゼロエミッションに向かって」をスローガンとして、自動車用内燃機関の高効率化と排ガス低減に関わる研究を継続してきました。2020年には、内燃機関搭載車両におけるカーボンニュートラル(CN)を実現するための「CN技術シナリオ」を策定し、産学連携で内燃機関の更なる進化に取り組んでいます。
AICEは以下の4つの事業構成で活動しています。

研究事業

この事業では、スローガンの具体化とCN技術シナリオ達成のための技術要素、組合員・共同研究企業の皆様が重視している技術課題などから研究テーマを選定し、基礎・応用研究を企画・推進しています。
AICEは、企画段階から産(企業)と学(大学・研究機関)のメンバーが一堂に会して議論しながら課題解決を目指す共同研究スタイルを採用しています。
これにより、個々の企業では解決することが難しい技術課題を、多数の専門家の知見や経験を活かして解決することができます。また、アカデミアの高度な専門性を生かした原理・原則に基づく研究を行うため、研究に参加する全員の人材育成が期待できます。
研究成果は、AICE研究DB(組合員、共同研究企業の皆様がアクセス可能なクラウド上のデータベース)に体系的に整理して研究の成果物である報告書、モデル、実験データ等を格納し、全ての組合員・共同研究企業の皆様に共有します。これらの成果物は、組合員・共同研究企業の皆様が自社内での研究開発に活用することでAICE成果の社会実装を促進し、さらに次の研究に活用することでAICEの研究レベルの向上を目指します。

MBD*事業 *Model Based Developmentの略

この事業では、研究事業などで明らかにされた物理現象から、精度の高いモデルを構築し、メカニズムを正確に予測することを目指しています。このモデルを活用することによって、研究の効果的な推進や個々の企業の設計プロセスに貢献します。
AICEのモデルやソフトウェアは、最新の研究成果を基に理論的に構築しており、汎用性が高く、企業のエンジニアにとっても扱いやすい特徴を備えています。内燃機関の設計検討に必要な0D、1D、3Dモデルを幅広く提供しており、精度検証も徹底して行っています。組合員・共同研究企業の皆様は、これらのモデルを持ち帰り、すぐに個々の企業で活用可能です。

ベンチマーク事業

市場における最良の製品やサービスをベンチマークすることは、各企業に共通する課題です。従って、AICEが共同でベンチマークを実施することにより、高いレバレッジを活用して、詳細かつ効果的な調査を実現できます。
AICEでは、組合員・共同研究企業の皆様が議論を交わしながら、評価する車両や計測項目を決め、多彩な性能評価や分解調査を実施しています。過去の調査実績からノウハウを蓄積しており、知りたいことを正しく調べることが可能です。調査結果は、詳細な調査報告書としてまとめ、組合員・共同研究企業の皆様と共有しています。

調査事業

AICEでは、研究内容の企画に際して、社会(環境や政策など)、市場、技術の動向を広範囲にわたって調査することの重要性を認識しています。内燃機関に限らず、自動車業界全体の将来動向に関する調査を行い、その結果を組合員や共同研究企業の皆様に報告しております。
具体的には、組合員・共同研究企業の皆様からの要望に応え、内燃機関の研究動向、グローバル市場・政策・規制の動向、電動車・自動運転・CO2回収など、カーボンニュートラルに関連する技術動向を外部の調査会社と協力して調査し、報告書にまとめて提供しています。
これらの調査結果は、AICEの研究企画および推進に役立つものであり、個々の企業で状況分析や戦略立案にも活用されています。